縁あって、某小学校にて小6の「総合」を一部担当することになりました(経緯省略)。私が担当するのはだいたい2週間に1〜2回。ということで、プロジェクト遂行型の大きな単元構成ではなく、将来的にそうした大きな探究をする際のたすけとなるような、小さな探究をくりかえす授業をしたいと考えました。1学期ということもありますし。
(批判的な思考の仕方、情報収集の仕方、情報発信の仕方などについて、ある程度の型をおさえた上でないと、まんぞくのいく調べ学習・探究活動はできないはず…と自分のなかでは理由付けをしています。「自分なりに」調べるということは、簡単ではないはず。)
さてさて。そこで、千葉大・
藤川大祐先生も番組企画委員をつとめてらっしゃる、NHK Eテレ「
メディアのめ」を活用しながらのメディアリテラシーの授業を行なってゆくことにしました。この「メディアのめ」は、今年4月から放送が始まったもので、出演の池上彰さんが、メディアの裏側を分かりやすく解説してくれるというものです。いま現在、2回目まで放送されており、
サイトでも視聴することができます。情報の読み解き方や発信の仕方について、基礎から学習できるのではないか、と。
===
本日、1回目の授業を行いました。テーマは「メディアのめ」にならって、「
写真」。ただし、阿部版「総合」の初授業、且つ、そもそも私がこの学校で初授業…という背景があり、自己紹介や導入(メディアについて学習しますよ〜)といったところにも時間を使いました。
---
導入。簡単な自己紹介の後、「この金曜の総合のテーマは…?」と聞くと、「…メディ…ア?」とぼそぼそ声が。ニヤリとする子たち。え、初めてなのになぜテーマを知っているのでしょう〜?
実は私、週の始めに、謎の文書をこっそりと教室内に掲示していたのです。たいしたものではないのですが、こんなもの。
目をひくようなフォントにしたつもり…。
担当は2クラスで、ひとクラスは上のもの。もうひとクラスには「メ◯ィ◯」。ふたつ合わせると「メディア」と分かる……はずでしたが、2クラス間での交流はなかった模様。カンタンすぎましたか…。でもそれぞれクラス内ではほぼ全員の目に留まっていた模様。
でも、まあ良いのです。これで、私は授業を始める前から授業を始めることができ、子どもたちは少なからずワクワク感をもって授業にのぞんでいてくれていたはずです。子どもと会う時間が少ないので、考えました。
---
そしてその「メディア」の話。5年生の情報の単元にもあるためか、子どもたちメディアという言葉自体は知っており、「テレビ」「新聞」など「情報を伝えるもの」がメディアだ、と。すばらしい。
では、「(上の)謎の文書はメディアでしょうか?」あるいは「教室のなかにもあるでしょうか?」 メディアの概念を広くもってもらおうと、ブレスト的なことをやりました。
---
私たちのまわりにはほんとうに色々なメディアがあることを確認し、毎回ひとつのメディアをとりあげてゆくことを伝えました。デジカメを提示しながら、「今日は写真です」。話を聞くと、子どもはけっこうデジカメ使うんですね。1家に何台もあるのでしょう。
「写真」は子どもから意見があがっていなかったので、「写真もメディアでしょうか?」と確認。「写真から何かしらの情報を受けとることができますか?」。例として、私の旅行写真等を見せました(自己紹介の意味も込めて!)。直接見たことのないものでも、写真を見ると分かることがあります。
たとえば、
現在は長友選手も所属するインテルの本拠地、サン・シーロのロッカールーム。
(阿部がいったのは2年前…残念!)
同じくサン・シーロが本拠地のACミランのロッカールーム。

ミランの方がお金持ち…!?
当時在籍のベッカムの席。阿部ッカム。
微笑。
別の話も。
競走馬のトレーニング風景なんてみたことないですよね?
プールにも入っちゃうんです。「へ〜」
などなど。
写真で見ると「へ〜」と分かることも多い。今まさに情報を受け取っています。
---
と、旅の写真を楽しんだところで、ここからは「メディアのめ」を活用。「ここからはみなさんに考えてもらいます」。まず、あたかもダンスしているかのように見えるサッカー選手の写真(
こちら左上)を提示。子どもからも「ダンス?」という声。でも実際は違うんですね。詳しくは
動画を参照してください。
どこを切り取るかによって感じ方が変わることを確認し、次の写真(
こちら左下)。動画の流れにならい、2枚の写真を比較。ワークシートに記入。動画内に登場する男の子のような感想を、みなも書いていました。みなの感想を共有した後に動画を視聴。自然と「池上さんに聞いてみましょう」という発言をしていました。「アップ」と「ルーズ」を確認。
さらに、動画を見進め、プロカメラマンのお話。同様に、感想を共有し合いました。
---
動画は続きますが、1時間ではここまで。写真というメディアについて、「切り取り方によって受け取る印象が変わる」とまとめました。
授業の最後に感想記入。早く書けた子もいたので、「ラジオ的」に雑談。「ある化粧品会社のポスターにうつる女性の写真はみな左向き、なぜ?」などなど。
---
最後の最後。次回まで時間が空いてしまうので、「メディアリテラシー通信」を発行することに。配って、授業後に読んでね、と。今回は、初回挨拶、私が個人的に取材した某プロカメラマンさんの話、次回からはみんなの意見ものせたい…といった内容。また、「メディアのめ」動画内に出てくるフセイン像の話(
こちら右)をこの通信内に入れ込みました。
A4・1枚。内容はいまのところ非公開でご勘弁。
情報の授業なので、こうした形で「情報を発信する」ことを意図的に、地道にやっていきたいと思います。チャンネルは多く! 授業内だけでなく、「通信」内だけで子どもとのやりとりが出てきても面白い…どうなることやら分かりませんが、楽しみです。いずれ私が情報を受け取る側になれたらいいなあ。
ちなみに……この「通信」に登場する某プロカメラマンさん。いずれゲスト講師として来ていただこうと調整中。イレギュラーな授業なので、伏線をはっておくことは大事かと。当日は、「あの」◯◯さんになりますよね。
以上、授業終了…。
===
「メディアのめ」は、まずは私自身が話の組み立ての勉強になるというところで、大変参考になりました。池上さんの話し方に学べるところも大きいです。
ただ、番組自体は1話完結なので、背後にあるストーリーをどう設定するかが、授業化の鍵かと思います。私は、授業時間外にも情報を発信しつつ、そこで「伏線」を意識しつつ、調整しつつ、この授業なりの文化をつくってゆきたいなあと思っています。もちろん、他にもいろんな方法があるかと思います。